海と山に囲まれた町で見た光と影|ビマの旅日記

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インドネシア・スンバワ島のビマという町にやってきた。空と山と海が美しく、風景はまるで絵画のようだった。

港の岸壁に座って、風に吹かれながらただぼーっと山を眺める。遠くに見えるのはタンボラ山。雲の隙間から顔を出すその姿は、どこか神々しさを感じさせる。
船が静かに浮かぶ港と、背後の雄大な山のコントラストが、言葉にならないほど美しかった。

海を挟んだ向こう岸にはモスクが見えた。静けさの中に、アザーンの声が響いてくるような気がした。

でも、その美しい風景の中には、目を背けたくなるような現実もあった。
海岸沿いには、大量のゴミが散乱していた。その上を、数頭の牛が歩きながら食べ物を探していた。

ビニール袋、プラスチックボトル、ペットボトルの山。信じられないような光景だった。小さな漁港のような場所も、ゴミに埋もれていた。

ここにも牛がいた。何かを食べているようだった。もしかしたらプラスチックごみを誤って口にしているのかもしれない。

この場所は、自然が豊かで人々の信仰も深い。でも同時に、環境問題が日常の中に溶け込んでしまっているように見えた。

海辺には、廃墟のような建物と、もう使われていないと思われるモスクがあった。きっとかつては誰かの祈りの場所だったのだろう。静かに時を止めたように佇むその姿が印象的だった。

心に残ったこと
ビマという町は、美しさと現実が隣り合わせだった。観光地化されていないからこそ、本当のインドネシアの姿が見えた気がする。「どうすれば、この町の自然と人々の暮らしが共存できるのか」そんなことを、旅の途中でぼんやりと考えていた。


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